行政書士・社会保険労務士の創業支援コンサルタント伊関のブログ
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再就職と起業の思考は併存できない
今夜は真夏ながら「2時間でわかる起業セミナー」
通常 夏の参加率は低いのですが、今年は それなりに申し込みがあります。
これも起業ブームなのでしょうか。
先週の日経新聞では「起業予定者にも失業手当を支給」という記事を見ました。
いままで失業手当というのは、再就職をする人の生活支援の目的に支給されていたため、起業予定者は未支給だったのです。それを支給することで、生活の安定をはかり起業人口を増やそうというもくろみがあるらしい。
いかにもお役人の考えそうな案。
現実をわかっていないというかなんと言うか・・・。
しかも条件がおかしい。
起業予定者といえども、再就職の活動をしながら月に1回失業認定にハローワークに行き、再就職活動の報告が義務づけられている。
いかにも既存の枠組みの延長で考え出した楽な案です。
起業予定者の最大の壁は、お金と時間。
つまり起業予定者に見せかけの再就職活動を強いるところがばかばかしい。
半日つぶしてハローワークに行き活動報告をする。
さらには、再就職の見せかけの活動に時間を使わないといけない。
要はサラリーマンが考えると、起業家の時間価値を分かっていない案になる。
まさか、本当に再就職活動と起業準備が並行して行われるとでも思っているのだろうか?
仮にそうだとすると、もっと馬鹿さ加減の根が深い。
「再就職と起業」
この思考は180度真逆なんです。
リスクをとってチャレンジする起業と、リスクをとらない再就職。
この2つの思考が思考のなかで併存することは不可能なんです。
仮に、「私は2つ並行して考えてますよ」という人がいたら、その人は起業しない方がいい。
要は起業に向いていない。
絶対に成功しない。
はっきり言って、こういう発言をする人は、再就職できない場合の言い訳に起業準備しているという言い訳を準備しているだけだからです。
この本質を分からない人が案を作るとこんな馬鹿げた案になるんですね。
起業人口を増やしたいなら、もっと「手軽に支援できる助成金」をだせばいい。
起業して、登記が完了したら 上限を決めてそれらにかかった費用の全額を助成しますとか・・・。
いまある経産省の「創業助成金」は手間がかかりすぎるのが起業家にウケないんです。
面倒くさい。時間がないという人がどれほど多いことか。。。
しかも融資が前提になっているようなものですから。
つまり、失業手当にお金を使うなら、「手軽な助成金」にお金を使っても支出はほとんど変わらないはず。だとすれば、これのほうが「起業家に無駄な時間を使わせないのが現場を理解した政策」なんです。
もっと、現場の意見を聞かないと・・・。
創業支援コンサルタントの独り言です。
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